東京地判平成30年9月12日

  • 2019.01.04
  • コラム

東京地判平成30年9月12日

2019.01.04

昨年、信託契約の一部無効を言い渡す判決がありました。

検討すべきポイントはいくつもありますが、私が最も中注目したのは、下記の判旨です。受益権は実がある内容でなければならない。形ばかりの空虚な受益権の設定は、信託契約そのもののを無にしかねないという点を鋭く指摘されたのはないかと考えています。

「B(委託者)所有不動産のうち,上記④及び⑤の各不動産は,これを売却しあるいは賃貸して収益を上げることが現実的に不可能な物件であること,・・これらは本件信託当時より想定された事態であるといえることからすると,Bは,上記④及び⑤の各不動産から得られる経済的利益を分配することを本件信託当時より想定していなかったものと認めるのが相当である。・・そうすると,Bが上記④及び⑤の各不動産を本件信託の目的不動産に含めたのは,むしろ,外形上,原告に対して遺留分割合に相当する割合の受益権を与えることにより,これらの不動産に対する遺留分減殺請求を回避する目的であったと解さざるを得ない。したがって,本件信託のうち,経済的利益の分配が想定されない上記④及び⑤の各不動産を目的財産に含めた部分は,遺留分制度を潜脱する意図で信託制度を利用したものであって,公序良俗に反して無効であるというべきである。」

 

 

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